今回は、主に広背筋を鍛える目的でやる事が多いトップサイドデッドリフト(ハーフデッドリフトとも言う)のやり方や効果、重量設定やフォームなどについて言及してみたいと思います。
また、トップサイドデッドリフト(ハーフデッドリフト)をやっていくにあたって、おすすめのグッズも紹介します。
トップサイドデッドリフトの効果

トップサイドデッドリフトは、別名ハーフデッドリフトといい、デッドリフトの半分の動きで重りを上げる種目です。
トップサイドデッドリフトの主な効果は、
- 広背筋の筋肥大
- 筋力アップ
この2つ。
広背筋の筋肥大
トップサイドデッドリフトは、通常のデッドリフトとは違って、膝や膝上あたりの高さから上げるため、広背筋のみが稼働しやすい上に負荷も乗りやすい為、広背筋の筋肥大には持って来いの種目。
更に、脊柱起立筋も鍛えることが出来ます。
また、可動範囲も少ないので、高重量を扱いやすいという特徴もあります。
筋力アップ
基本的に高重量を扱える種目は、筋力アップを狙いやすいと言われているのですが、トップサイドデッドリフトも低回数で行うことで、筋力アップの効果を得られやすい種目と言えるでしょう。
ただ、どちらかと言うと、トップサイドデッドリフトは低回数よりも、中回数で行ったほうがこの種目をやる意味はあるのかな、と。
理由に関しては、重量設定や回数のところで言及します。
また、これはトップサイドデッドリフトの効果というわけではないですが、通常のデッドリフトに比べて、怪我や故障が少ない傾向にあります。
通常のデッドリフトは、非常に怪我が多いトレーニング種目ですが、トップサイドデッドリフトは脚や腰を使う関与が少ないので、腰への負担は通常のデッドリフトと比較するとかなり少ない為、腰痛にもなりにくいです。
ですから、腰への不安があってデッドリフトが出来ない人でもトップサイドデッドリフトなら可能な場合もあります。(ここは、その人の腰の具合によって出来る人と出来ない人に分かれると思います)
トップサイドデッドリフトのやり方
トップサイドデッドリフトのスタートポジションと設定
まず、トップサイドデッドリフトを行う際の脚幅は、腰幅くらいが基本。
バーを握る際の、手幅は肩幅、あるいはちょっと広めくらいでOK。
また、手幅を広くすることで、僧帽筋に負荷がかかりにくくなり、より一層広背筋のサイド(脇の下あたり)に負荷が乗りやすくなるので、広背筋の厚みよりも横幅を広げたいという場合は、手幅を肩幅よりも広めでやっていくと良いと思います。
手を指で引っ掛けるように握ってバーを持ち上げたら、 肩を下げて肩甲骨を寄せて、広背筋が収縮している状態を作ります。
そして、トップサイドデッドリフトをする時のバーの高さですが、これは膝、あるいは膝上あたりの高さにセットするのが基本です。
膝下でも良いですが、この高さでやると、より脚(ハムストリング)にも負荷が乗るようになり、腰にも負担がかかりやすくなるので、腰に不安がある人は控えたほうが良いでしょう。
トップサイドデッドリフトのフォーム

バーを下ろしてくる時のポイントは、
- バーを体から離さない(体の近くを通る軌道)
- 背中を丸めない(常に真っ直ぐ)
- 腰を曲げるのではなく、股関節を曲げる
- お尻は突き出すような感じ下ろしてくる
- 膝は多少曲がってもOK
こんなところ。
ちなみに、デッドリフトを行う際に一番重要といっても過言ではないのがヒップヒンジです。
ヒップヒンジとは、背中を丸めずにお尻を後ろに突き出す様に膝を曲げていく動作のこと。
これが出来ていないと、腰痛になる可能性が高くなるので、トップサイドデッドリフトをやる時もこの動作を崩さないようにすることが大切です。
この動作が出来ていない場合は、最初は軽い重量でも良いので、練習すると良いでしょう。
また、バーを下ろしてくる時は、ストンと下ろさずにゆっくりネガティブを感じながら下ろしてくることで、広背筋をより多く刺激できます。
バーを上げてくる時は、爆発的に一気に上げるイメージ。
もちろん、この時も背中は同じ姿勢を固めたままで、丸めてはいけません。
そして、トップサイドデッドリフトのトップポジション(立った状態)では、左右の肩甲骨を近づけるように胸を張るイメージ・・・だけど、背中を後ろに反らさないように注意。
背中を反ってしまうと、広背筋への負荷が逃げやすくなりますし、怪我の元にもなるので、骨盤は前傾姿勢を保つようにしましょう。
トップサイドデッドリフトの詳しいやり方については、下記の動画で詳しく解説してくれているので、参考にしてみてください。
腰を痛めないようにするために必要なポイントを解説してくれている動画もありますので、良かったらこちらも参考にしてみてください。
トップサイドデッドリフトにおすすめのグッズ
トップサイドデッドリフトは、そのまま何のグッズも使わずにすることも可能ですが、効率よく広背筋を鍛えて筋肥大をしていきたいのであれば、
- トレーニングベルト
- パワーグリップ
この2つを用意していくことをおすすめします。
トレーニングベルト
トレーニングベルトを使用することで腹圧を高める事ができて、体幹が安定して、鍛えたい部位を効率よく鍛える事ができます。
また、腰の保護も出来るので、特に高重量を扱う筋トレ(スクワットやデッドリフトなど)をする時にはつけたほうが怪我の防止にも繋がります。
もちろん、トップサイドデッドリフトにも有効なので、もし現時点で手元にない場合は、トレーニングベルトを用意することをおすすめします。
トレーニングベルトは、革製でも何でも良いと思いますし、メーカーも色々あるので、好みに合った製品を選んでもらえば良いと思いますが、個人的には軽くて持ち運びやすいSchiek(シーク) のリフティングベルトが良いのかな、と思います。
パワーグリップ
パワーグリップは、鍛えたい部位よりも握力が先に尽きてしまわないように補助するアイテムです。
だいたい、高重量でプル系(引くトレーニング)の筋トレをしていると、まだ出来るのに握力が持たないことが多い為、それがないようにするのがパワーグリップの役目。
このパワーグリップも、トップサイドデッドリフトだけではなく、
- ラットプルダウン
- チンニング(懸垂)
- シーテッドローイング
- ベントオーバーローイング
など、背中のトレーニングでは必要となってくるので、もし現時点で手元にない場合は、用意していくことをおすすめします。
パワーグリップで有名なのはゴールドジムのパワーグリッププロですが、かなり高価なので、お金に余裕が無い場合は、他のメーカーのパワーグリップでも良いと思います。
このくらいの価格のパワーグリップでも充分使えるんじゃないかな、と。
また、パワーグリップと同じ効果を発揮するリストストラップもあり、こちらは安価で購入できます。
リストストラップは、耐久性もあり、ものすごい高重量を使う場合は、パワーグリップよりもリストストラップの方が良い場合もあるのですが、使いにくいというデメリットがあります。
毎回使用する時に、バーにリストストラップを巻き付けなくてはいけないので、それが面倒くさいのです。
私は、今でもリストストラップを使う時はありますが、最近はパワーグリップの方が使いやすいので、これからはパワーグリップだけを使おうかな、と思っているくらいです。
まあ、このあたりは自分の好みに合わせてどちらかを選んで頂ければ、と。
トップサイドデッドリフトの重量と回数

トップサイドデッドリフトの重量設定は、○kgくらいが良い、というのは決まっていませんが、筋トレ初心者が初めてトップサイドデッドリフトをやるという場合は、平均体重を考慮すると、
- 女性で30kg
- 男性で65kg
このあたりを目安にやっていくと良いでしょう。
筋トレ経験者の場合は、上記の数字は当てはまりませんが、あとはレップ数(回数)で目的別に分けてやっていくと良いと思います。
基本的には、トップサイドデッドリフトは、可動域が狭い種目なのでレップ数(回数)の設定は多めのほうが良いと思います。
回数設定が多めの場合、筋肥大が目的になりますが、目安としては、
- 10~15回
- 3セット
- インターバルは2〜3分
こんな感じでやっていくと良いと思います。
筋力強化したい場合は、
- 4~6回
- 3セット
- インターバルは4〜5分
こんな感じでやっていくと良いと思います。(あくまでも目安です)
ただ、回数設定を少なくするのであれば、トップサイドデッドリフトよりも、可動域が大きいデッドリフトをしていくほうが効率的なのかな、と。
まとめ
今回は、広背筋を鍛える種目、トップサイドデッドリフト(ハーフデッドリフト)のやり方や効果、重量設定やフォームなどについてお話させて頂きました。
トップサイドデッドリフトは、高重量を扱う種目に加えてフォームが非常に大切で、フォームの崩れが怪我や故障の原因になってしまう可能性もあるため注意が必要です。
しかし、正しいフォーム、正しい重量で行う事が出来れば、広背筋を筋肥大させるには持って来いの種目なのは確か。
もし、現時点で他の背中のトレーニングをやっているけど、イマイチ効果を感じられていない場合や、今以上のレベルを目指している場合は、トップサイドデッドリフトをやってみてください。
ただし、くれぐれも怪我だけはしないように正しいフォームと自分が扱える重量(無理はしない)でやることをおすすめします。
特に重量にこだわりすぎると、フォームも崩れて怪我のもとになりますから。
背中のトレーニングで他の種目もやっていく場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
この記事が参考になれば幸いです。