シーテッドローイングは、背中の筋肉を鍛える種目としてとても馴染みのあるメジャーな種目です。
名前は知らなくてもジムで他の人がやっているのを見たことがある人も多いかもしれません。
今回は、馴染みがあるだけにフォームが自己流になっていてシーテッドローイングが効かなくなっているトレーニーもいると思い、正しいやり方で背中に効かせるコツや、どんな効果があるのか?目安の回数や重量まで解説していこうと思います。
シーテッドローイングとは?
シーテッドは座る、ローイングはボートを漕ぐという意味・・・つまり座りながらボートを漕ぐような動きをするという意味になりますから、基本的に引っ張る動きがメインという事になります。
余談ですが、ダンベルを使うとダンベルローイング、ケーブルを使えばケーブルローイング、マシンを使えばローイングマシンという名称になります。
シーテッドローイングの効果
シーテッドローイングに限らずローイングのメインターゲットは背部の筋肉、広背筋です。
主に、メインやサブターゲットを含めて
- 広背筋
- 僧帽筋
- 脊柱起立筋等
- 上腕二頭筋
- 三角筋
- 大円筋
これらの筋肉部位に負荷が乗りやすく、効果があります。
そして、シーテッドローイングは、手の幅やグリップを変えることで、広背筋上部~僧帽筋、広背筋下部等に刺激を与える事が可能です。
マシンの選定
ほとんどのジムに行けばローイングのマシンはあると思いますが、主なマシンの形は二種類あり、ハンドル式のローイングマシンとケーブル式のローイングマシンです。
ハンドル式は、決められている持ち手を変えることが出来ませんが、ケーブル式のほとんどは持ち手を自由に変更する事が出来るので、使用するグリップの種類によって刺激を与えたい筋肉の場所を変えることが出来ます。
初めてローイング種目を行う場合は、比較的安全で重さを簡単に変えることの出来るハンドル式のマシンから使われる方が良いと思います。
シーテッドローイングのやり方
スタートポジション
まずシートに座り、足を地面又はフットプレートに固定します。
腕の高さは、引いたときにみぞおちに手が来る様にセットします。
バー又はグリップを握ったら腕が完全に伸びる手前で止めて、背中に負荷を感じた状態がスタートポジション。(背中は、少し丸まった状態)
バーを引いてくる
バー又はケーブルグリップを左右の肩甲骨同士を近づける様に胸を張りながら骨盤を後継させて、肘が体の横(あるいはみぞおちあたり)に来るまで引きます。
この一連の流れでは、肩は常に下げた状態をキープしましょう。
バーを戻していく
その後、背中に負荷を引っ掛けたような状態でゆっくり広背筋をストレッチさせて行き、最後は少し背中が丸まった状態になります。
この時、負荷が抜けないように腕は脱力しないようにしましょう。
あとは、この繰り返しです。
シーテッドローイングのやり方については、下記の動画でも分かりやすく解説してくれているので、参考にしてみてください。
背中に効かせる方法
体幹の筋肉は、指先や舌先のように敏感な感覚を持ち合わせていないので、筋肉に効かせるという細かい動きを調整しにくい事があります。
また、引こうという感覚が強すぎてしまい、腕だけで引いたり、背中を後ろに倒しながら引いてしまうため、背中にしっかりと効かせることが出来なくなってしまう場合が多々あります。
そうならない為のコツとしては、
- 腕で引くのでは無く肩を下げ、胸を張ることを意識する。
- 背中を少し丸めた状態から胸を張るまでを大きく動く。
- 骨盤の前傾姿勢を保つ
- 自分のみぞおちに向かって引く。
このあたりが大切かな、と。
握り方を変えてみる
ハンドル式マシンの場合は、持ち手をオーバーグリップ(順手)かアンダーグリップ(逆手)にしか変えることは出来ませんが、ケーブル式のマシンの場合はグリップを様々な種類に変更する事が出来ます。
ストレートバーの場合、オーバーグリップまたはアンダーグリップに変えることができ、オーバーグリップでは広背筋の上部・僧帽筋に効きやすく、アンダーグリップでは、腰に近い広背筋の下部に効きやすい傾向にあります。
女性や初心者はチューブもおすすめ

チューブを使用することで家でも簡単にシーテッドローイングを行う事が出来ます。
女性や初心者の場合は、チューブで練習回数を増やして負荷が乗る感覚をつかんでからマシンを行っても良いでしょう。
ただ、チューブの場合は簡単に出来る反面、負荷を設定する事が出来ないので、低負荷で高回数となるため、女性のシェイプアップや高齢者には適しているかもしれませんが、筋肥大にはあまり向いていないですね。
チューブでやるシーテッドローイングのやり方についての動画もあるので、良かったらこちらも参考にしてみてください。
シーテッドローイングの重量設定
正しいフォームをしっかり確認して、背中に効いている感覚を大切にしましょう。
マシン種目のため安全に行えるので、フォームが確認出来たら中〜高回数、中重量で行いましょう。
筋肥大目的でもダイエット目的でも基本的に重量や回数は大幅に変える必要はありませんが、刺激に慣れてしまわないように回数設定を変えるのはおすすめです。
例えば、
回数 | セット数 | インターバル |
10〜15回 | 3セット | 2〜3分 |
15〜20回 | 3セット | 2〜3分 |
こんな感じで2パターンでやってみるとか・・・。
補助種目
シーテッドローイングの補助種目として適しているのは、
- ベントオーバーローイング
- ワンハンドダンベルローイング
- ラットプルダウン
- チンニング(懸垂)
などなど。
シーテッドローイングでまかなえない背中の部位を鍛える事ができるので、結果的に背部をまんべんなく鍛える事が出来ます。
同じ種目だけを行っていても、体が慣れてきて筋肉の成長が止まってしまうので、色々な種目を行う事をオススメします。
スーパーセット法について
中級者以上向けの筋トレテクニックとしてスーパーセットを紹介します。
通常のシーテッドローイングでは余り背中に効かなくなった場合に新し刺激を入れる為に取り入れてみても良いのがスーパーセット法。
スーパーセット法とは、曲げる筋肉主体のトレーニングと伸ばす筋肉主体トレーニングをインターバル無しで続けてトレーニングする方法です。
効果としては、1つの筋肉を単体で鍛えるよりも、短時間で筋肉に刺激を与える事ができ、かつ筋肉への刺激量も多くなり、トレーニング回数が少なくても効率良く筋肥大をする事が出来ます。
また、スーパーセット法は非常に効果的な方法なのですが、効果のある反面、非常に筋疲労を伴うセット法です。
インターバル無しで2種目行うので、初心者の人が行うと筋疲労により正しいフォームで行えなかったり、正確に追い込めなかったりして、故障の原因になる場合もあります。
なので、スーパーセット法は、ある程度の回数や重量をこなしたり、セット数を伸ばしてトレーニングに慣れてきてから行うのが良いでしょう。
シーテッドローイングを使用したスーパーセット法は、背部のトレーニングと胸部のトレーニングを1セットとして行います。
スーパーセット法の例
種目 | 回数 | セット数 | インターバル |
シーテッドローイング+チェストプレス | 12回
10回 |
3セット | 3分 |
チンニング+ダンベルプレス | 15回
10回 |
3セット | 5分 |
ワンハンドダンベルローイング+ダンベルフライ | 8回
12回 |
3セット | 5分 |
などなど。
この様に表と裏の筋肉を同一種目のように休み無く行い、筋肉への刺激を高めます。
スーパーセット法については、下記の動画で詳しく解説してくれているので、良かったら参考にしてみてください。
まとめ
シーテッドローイングのやり方や効果、回数や重量設定について色々と解説してきました。
シーテッドローイングは、初心者でも行いやすく簡単に背中を鍛える事が出来ますが、簡単にできるが故に正しいフォームでトレーニングが出来てなかったり、惰性でトレーニングをしてしまいがちです。
シーテッドローイングで気をつけるポイントは、
- 常に肩を下げておく
- 腕で引かない意識を持ち、みぞおちあたりに引いてくる
- 収縮では骨盤を後傾させて胸を張る
- 伸展では背中に負荷を引っ掛けた状態で少し背中を丸める
こんなところでしょうか。
安全で簡単に出来る種目だからこそ、正確に背中の筋肉を追い込めるよう正確なフォームと背中に効かせる感覚を大切にしてトレーニングに励んで頂ければ、と思います。
この記事が参考になれば幸いです。