せっかく筋トレを頑張っているのにインターバル時間の取り方を間違えていると、筋トレの効果や効率は下がってしまいます。
そこで今回は、筋トレのインターバル時間は長いほうが良いのか?短い方が良いのか?
また、筋肥大するにはどのようなトレーニングメニューを組んでいくのが良いのか?などについて言及していこうと思います。
まず、結論として効率よく筋肥大をするためには、小さい筋肉では1~3分、大きい筋肉では3~5分ほどインターバルをとるのが望ましいです。
筋トレの教科書には1分程度が望ましいとありますが、物理的刺激や化学的刺激を考慮すると、教科書に書いてある様に1分のインターバル時間よりも長めに時間を取った方が効率よく筋肥大しやすい傾向にあります。(もちろん、これが正解ではなく、短いインターバルでも筋肥大はします)
インターバル長いほうが良い理由
理由【1】
インターバルが長いほうがより多くの刺激を筋に与えられるため。
筋肉は、筋線維が筋トレの物理的刺激で破壊され、回復する過程でより大きく太く強くなります。
より強い刺激を与えるためには、1つの方法として使用する重量を増やす必要があり、長いインターバル時間を取ることで使用する重量やセット数を増やす事が出来ます。
理由【2】
もう1つの理由は、成長ホルモン(化学的刺激)への理解不足。
筋肉の発達に関わる成長ホルモンが、インターバルの時間が1分でより多く分泌される、という事は様々な研究により発表されていますが、トレーニングの期間が長くなれば、1分でも3分でも差が無くなってくると言われています。
また、トレーニングの種類によっては、短いインターバル時間が一番成長ホルモンが分泌されなかったという研究結果もあります。
筋肥大トレーニングのインターバル時間の目安

これは、トレーニングをどのくらい経験しているかによって差はあると思いますが、目安のインターバルは、
- 三頭筋、二頭筋、肩、腹筋などの小さい筋肉は1~3分
- 胸、背中、脚、体幹等の大きい筋肉は3~5分
こんな感じ。(トレーニング種目や回数によって変わってきます)
呼吸を整えて、次のセットでより重い重量を扱えるまで筋肉を回復させることで効率的に筋肥大をさせる事が出来ます。
筋肥大と筋力強化の違い
一般的に、筋肥大と筋力強化は同じと思われる方も多いと思いますが、基本的に、筋肉が肥大すれば挙げられる重量も増えるため、筋力も上がっていると言えます。
しかし、この二つには大きな違いがあります。
筋肥大はその字の通り、筋のボリュームを大きくする事でスポーツで言えばボディビルディングやフィジークとなり、物や体を動かしてパフォーマンスをするのではなく、見た目を競う競技になります。
対して筋力強化は、重い物を持つ・挙げる事に比重を置いていて、スポーツで言うところのパワーリフティングやウェイトリフティングが該当します。
また、筋力強化は他種目スポーツのパフォーマンスアップのため用いられる事の多いトレーニング法で、筋肉を大きくするのではなく、効率的に出力を上げなければいけないので、神経伝達を高める必要性があります。
筋肥大トレーニングの例

筋肥大は前項に書いた通り、物理的刺激と化学的刺激が必要となります。
そのため、1つの種目を行ったら大きい筋肉の場合は、比較的長めのインターバル時間を取ります。
トレーニング法は、多関節運動種目(ベンチプレスなど)よりは単関節運動種目(ダンベルフライなど)が、1つの筋肉により大きい負荷をかける事が出来ます。
使用する重量は、8~15RM(RMとは回数のこと)の重量を目安として採用(あくまでも一例です)
大胸筋
種目 | 回数 | セット数 | インターバル |
チェストプレス | 15RM | 3セット | 3分 |
ダンベルフライ | 13RM | 5セット | 2〜3分 |
ベンチプレス | 10RM | 5セット | 3分 |
広背筋
シーテッドロウ | 15RM | 3セット | 3分 |
ワンハンドローイング | 13RM | 5セット | 2〜3分 |
ベントオーバーローイング | 13RM | 5セット | 5分 |
上腕二頭筋
バーベルカール | 15RM | 5セット | 2分 |
ハンマーカール | 15RM | 3セット | 2分 |
ダンベルカール | 15RM | 3セット | 2分 |
脚
レッグエクステンション | 15RM | 5セット | 3分 |
レッグカール | 15RM | 5セット | 3分 |
レッグプレス | 15RM | 3セット | 5分 |
スクワット | 10RM | 5セット | 5分 |
補足
ケーブルを使ったり、マシンを使った比較的高回数で設定する収縮種目(ペックフライなど)をする場合は、1分〜1分半くらいのインターバルでやった方が効果を得やすいです。(パンプ目的という意味で・・・)
筋力強化トレーニングの例

筋力強化は、全体に長いインターバル時間を取った方が効果が高いです。
以前から、筋力強化では2分以上の長いインターバル時間をとって、神経を十分に回復させてから行うとされてきましたが、これは、短いインターバルでは疲労が十分に回復しないため、高重量を扱えない為です。
つまり、1分以下の短いインターバル時間よりも、3~5分のインターバルを取った方が筋疲労や神経伝達系も回復して、高い強度でトレーニングを行うことができます。
使用する重量は、ウォーミングアップを15~20RMくらいで1セットやって、本セットをする時は1~5RMの重量を使用します。(以下のセット数やインターバルは、あくまでも一例であって、正解ではありません)
大胸筋(ベンチプレス)
回数 | セット数 | インターバル |
10RM | 3セット | 5分 |
5RM | 5セット | 5分 |
1RM | 2セット | 5分 |
広背筋(デッドリフト)
10RM | 2セット | 3分 |
5RM | 3セット | 5分 |
1RM | 2セット | 5分 |
脚(スクワット)
15RM | 3セット | 3分 |
10RM | 2セット | 5分 |
5RM | 2セット | 5分 |
1RM | 3セット | 5分 |
経験別トレーニングの考え方
トレーニングを始めたばかりの筋トレ初心者

トレーニング初心者の方は、インターバル時間の長い短いにかかわらず、何のトレーニングをどのようにすれば良いかも分からない状態。
スポーツジムに通っていると、そのジムで行っている初心者プログラムがあると思いますので、まずはそこから始めるのも良いでしょう。
トレーナーやインストラクターが筋トレのイロハを丁寧に教えてくれると思うので、まずはジムに慣れ、通いやすい環境を整えてみましょう。
出来れば、なるべく経験が長くてしっかり鍛えられている体型のトレーナーに教えてもらう事をおすすめします。
トレーニングを初めて2~3ヶ月経った人
そろそろジムにも慣れてきて、筋トレの面白さと辛さを味わっている頃と思いますし、知り合いが出来たかもしれません。
一通りのマシンを使えるようになり、このマシンはこの部位に効く、など色々分かってきていることでしょう。
そして、この時期は大きな筋肉(胸・背中・脚)の筋肥大のトレーニングを行っていくと効果的です。
重量設定やインターバル時間の設定が必要になってくる頃で、最初にトレーナーに設定してもらった重量は、すでに軽く感じているかもしれません。
一種目につき、10~15RMでセット数は5セット程度、インターバル時間は3分程度で実践していくと良いでしょう。
また、今まで主にマシントレーニングをメインで行っていたかもしれません。
この時期くらいからバーベルやダンベルを使用したフリーウェイトにも軽い重量から挑戦してみても良いでしょう。
また違った刺激を筋に与えることが出来るようになります。
もちろん、最初からフリーウエイトを始めるのも全然ありですし、むしろこっちの方がおすすめかも・・・。(ただし、自己流でやるのはやめましょう)
トレーニングを初めて半年から1年経った人

身体も変わって自信がついてきている頃だと思いますし、ある程度重量も扱える様になってきていることでしょう。
この段階では、より重い重量を扱えるように筋力強化も併せて行っていくのもOK。
神経伝達系を鍛える筋力強化メニューは、一種目につき1~10RMを3セット程度、インターバル時間は5分を目安に実施すると良いでしょう。
筋肥大のトレーニングメニューに比べてより重い重量を少ない回数、長いインターバル時間で実施することにより、重量の絶対数を挙げられるようになります。
挙げられる重量の絶対数が上がると、筋肥大のトレーニングでもより強力な刺激を筋肉に与えることが出来るため、筋肥大トレーニングの効果も上がりますよ。
トレーニングを初めて1年以上経った人
ここまでトレーニングを続けられた人は、もはやトレーニングの虜になっているでしょう。
自らトレーニングについて調べ、どの種目がどの部位に効果的かよく分かってきたかもしれません。
ただし・・・
ここで注意しなければならない事は、同じメニューを繰り返していると、身体がトレーニングに慣れてきて、筋肥大・筋力ともに伸び悩んでくること。
新しい刺激を与えるためにも、ただ闇雲に重量を増やすだけではなく、トレーニングメニューを刷新したり、インターバル時間を変えてみたりと工夫をする必要があります。
フリーウェイトのフォームを見直すだけでも大きく変わることがありますので、慣れでトレーニングを行うのではなく、意識を持ってやっていきましょう。
まとめ
筋トレは、基本的には辛くて大変な部分もあるのですが、闇雲に行ってもトレーニング効果は得られにくくなる可能性が高いです。
そうならないように、インターバルの時間を意識するだけでも効果は格段に上がると思います。
また、今回言及したことはあくまでも一例であって、筋肥大や筋力強化のインターバル時間に正解はありません。
筋肉に与える刺激を最大にする為に、常に創意工夫することが筋肥大したり、筋力強化に繋がるという事を覚えておきましょう。
この記事が参考になれば幸いです。