減量期やダイエット中に摂取カロリーの目安や計算はどのようにしたら良いのか?という疑問を持つ人は多いと思います。
そこで今回は、減量期やダイエット中の摂取カロリーの目安や計算方法についてや、そもそもそういった計算は必要なのか?また、三大栄養素の配分についても言及していきたいと思います。
まず、結論から言っておくと、減量期(ダイエット中)に摂取カロリーを算出できる計算方法というのは一応あるんですけど、正確ではありません。
そもそも、減量するのに摂取カロリーを計算する必要は無いのです。それは、人間の体の特徴を知れば、分かること。
理由は、後程解説します。
それよりも、毎日どのくらいのカロリーを摂取していて、体重を維持できているのか?という数値を知ることが大切です。
減量期に知るべき摂取カロリーは?

まずは、現在自分の体重が増えもしないし、減りもしない摂取カロリーを知ることがスムーズに体重(体脂肪)を落としていく秘訣です。
何故なら、その体重が増えもしないし、減りもしない摂取カロリーが分かれば、その摂取カロリーよりも少し摂取カロリーを減らせば、体重が減るからです。(あくまでも理論上の話です)
・・・と言っても、人間の体はそんな単純な作りではないので、最初はうまくいったとしても、最終的には体重は落ちなくなくなりますけどね。
ただし、自分の体重が維持できている摂取カロリーというのは、増量期や減量期などの場面で目安に出来るので、把握しておきましょう。
現在の自分の体重を維持している摂取カロリーが計算できないという場合は、以下を参考にしてみてください。
Katch-McArdle式
男女共通:370 + (21.6 × 除脂肪体重 kg)
引用元 https://athletebody.jp/2014/02/07/nutritional-hierarchy-calories/
上記で出た基礎代謝の数値に、今度は普段の生活の強度の数値をかけます。
ほぼ運動ナシ(デスクワーク中心の生活) 基礎代謝 x 1.2
週1~3回の軽い運動 基礎代謝x1.375
週3~5回の中程度の運動 基礎代謝x1.55
週6~7回の激しい運動 基礎代謝x1.725
毎日の激しい運動+肉体労働やマラソンなど 基礎代謝x1.9
ここでの掛け算は0.2〜0.3程度少なめの数字で計算しておくのをオススメします。
引用元 https://athletebody.jp/2014/02/07/nutritional-hierarchy-calories/
そうすると、体重が維持できている摂取カロリーが算出されます・・・が、この数値は、あくまでも目安にしましょう。(正確ではないから)
減量期のカロリー計算方法
自分の体重が増えもしないし、減りもしない摂取カロリーが分かったら、今度は減量期の摂取カロリーを計算する、という流れになるのですが、実は減量期のカロリー計算は無意味です。
何故なら・・・という話をしようと思ったのですが、その話は後程するとして、先に目安になる減量期のカロリーの計算方法について、一般論を解説しておきます。
月に1kgの体重を落としたい場合
まず、1kgの体脂肪を減らすためには7200kcalを消費する必要があります(1gで7.2kcal)
ちなみに、ここで、
「脂肪って1g9kcalじゃないんですか?それだったら1kgで9000kcalではないのでしょうか?」
という疑問を持つ人もいると思いますが、確かに純粋な脂質(脂肪)は1g9kcalなのですが、体脂肪は水分などを含んでいるので、1g7.2kcalとカロリー自体が低くなるのです。
少し、話が逸れましたが本題に戻りましょう。
ここからは、体重を維持している摂取カロリーが2000kcalという設定で、減量期のカロリーを計算をしていきます。
まず、先程も言いましたが、月に1kgの体脂肪を落とすには、7200kcal消費する必要があるので、その数値を1ヶ月(30日)で割ります。
そうすると、『7200kcal÷30=240kcal』という計算になり、240kcalという数値が出てきます。
という事は、毎日体重を維持している摂取カロリー(2000kcal)から240kcalを引いてあげることで、1日の摂取カロリーが算出されます。(あくまでも理論上です)
計算すると、『2000kcal−240kcal=1760kcal』となります。
つまり、毎日1760kcalの摂取カロリーで過ごせば、月に1kgの体脂肪を減らせる計算です。
でも、この計算方法でやってみてください。
毎日毎日1760kcalを摂取して、1ヶ月後にキッチリ1kgの体脂肪が減っていることは、まず無いでしょう。
月に1kgの体脂肪が減るかもしれませんし、下手したら2k減るかもしれません。(糖質制限したらもっと減るかも・・・)
もしかしたら、体重(体脂肪)が2kg近く落ちたけど、途中から2kg戻るかもしれません。(結局、現状維持)
特に、短期間で沢山の体重を減らそうとすると、全く計算通り体重が減らない、ということがよくありますが、これは人間の代謝が変動しているからです。
そもそも、全ての人間が計算通りに体重を減らしていく事ができたら、世の中にダイエットで悩む人はいなくなります。
つまり、減量期のカロリーを計算しながら食事をしていってもあまりあてにならない、ということです。
カロリーを算出しても意味がない理由

減量期のカロリーを計算しても意味がない理由は、ザックリ言うと、
『日々の基礎代謝が色々な原因によって変動する』
からです。
基礎代謝を上げると言うと、筋肉を増やせば上がると思っている人もいると思いますが、基礎代謝全体での筋肉(骨格筋)の割合は、20%程度で、実は、肝臓や腎臓などの内蔵の方が基礎代謝を占めている割合が大きいのです。(だいたい50%くらいを占めています)
だから、例えば内臓が疲労していたり、体全体が疲労していたりすると、基礎代謝が下がってしまいます。(睡眠やストレスでも変わってきます)
そうなると、いつも同じカロリーを摂取しているにも関わらず、予定通り体重が減らない、という事になります。
ですから、減量期のカロリーを計算して、算出した数値通りの食事を摂っていっても、予定通り体重が減っていかないことが多いのです。
今日の基礎代謝は1500kcalだったけど、明日の基礎代謝は1300kcalになる、ということもあり得るので、いかに減量期のカロリー計算が意味が無いのか?が分かると思います。
数値を目安にするくらいであれば良いんですけどね。
減量(ダイエット)のペースは?
基本的には、1ヶ月で体重の5%以下を目安に体重(体脂肪)を落とす計画を立てると良いでしょう。
もし、体重が60kgだったら、月に3kg以下の体重を落とす計画を立てるのがおすすめ。(継続するという事を重視するなら月1〜1.5kgくらいがおすすめ)
それ以上のペースで体重を落とすと、筋肉も一緒に減りやすくなる可能性があるので、注意が必要です。
また、体脂肪率によって、多少は体重を落とすペースを変えたほうが良いかもしれません。
何故なら、1日に脂肪から消費出来るエネルギーには限度があるからです。
例えば、体脂肪率が低めの人は体脂肪量が少ない為、1日に燃焼させられる脂肪の限度が少ないので、減量幅は少なくしたほうが良いかもしれません。
それ以上のペースで減量をすると、筋肉が減ってしまう可能性が高くなるからです。
なので、体脂肪率が12%程度の人が減量する場合は、月に2kg前後落とすペースでやっていくと良い、と言われています。(あくまでも目安ですが・・・)
ちなみに私が減量をする時は、空腹感無しで落としたいので、月に1.5〜2kgくらいのペースでやっていきます。
三大栄養素の配分(PFCバランス)はどうする?
減量期(ダイエット)にカロリー計算はいらない、という話は何となく分かったけど、三大栄養素の配分(PFCバランス)はどうすれば良いの?という話です。
結論から言うと、PFCバランスも割合だけは目安にしておく必要はあるけど、あとはそんなに細かく計算する必要は無いです。
何故なら、これも人間の体の状態(基礎代謝など)によって、食べたものが上手に消化吸収される時とされない時があるから。(栄養素にもよる)
つまり、数値通りキッチリ栄養を摂取しても、実際はその通りに消化吸収されているか?は分からないので目安程度にしましょう、という話です。
基本的には、
- P(タンパク質)20%
- F(脂質) 20%
- C(炭水化物) 60%
1番良いのは、基本の数値を目安にしつつ、体の反応を見ながらPFCバランスを微調整するのが良いと思います。
詳しいマクロ栄養素に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。
タンパク質

タンパク質の摂取量は全体の20%が目安ですが、筋肉の材料にもなる栄養素なので、ある程度摂取量を固定しておくのが良いと思います。
筋トレをガッツリやっている人の場合は、体重1kgあたり、2.2gくらい(あるいはそれ以上)を目安に摂取していくと良いでしょう。
あまり筋トレをやっていない場合は、体重1kgあたり1〜1.5g程度で充分だと思いますが、筋トレをする場合は、2gくらいまで増やしたほうが良いでしょう。
タンパク質は、腹持ちが良い栄養素ですが、摂取しすぎると腸内環境が悪くなったり、内臓が疲労したり、便秘の原因になったるするので、そこらへんは上手に調整が必要です。
脂質

脂質は、減量期には最低限摂取してればOKですが、極端に減らしすぎると、テストステロンの低下を招くなど、減量に影響が出てくるので、適度に摂取することが大切です。
目安としては、1日で40〜60g程度くらいの脂質を摂取していくと良いでしょう。
おすすめの脂質は、体脂肪燃焼にも効果を発揮するオメガ3。
食材だったら、直接オメガ3として吸収できるEPAとDHAを含んだ青魚(サバ、イワシなど)がおすすめですが、手軽に摂取できるのはサバ缶です。
普段からオメガ3を摂取する機会が少ない場合は、サプリメント(フィッシュオイル)として摂取しても良いと思います。
糖質(炭水化物)

減量期に炭水化物をある程度制限するのは良い選択ですが、減らしすぎるのはNG。
PFCバランスとしては、60%(最低50%)くらいの量を目安に糖質(炭水化物)を摂取していったほうが日本人の場合は、体重を落としやすい人が多いでしょう。(日本人は穀物主体の食生活の歴史が長いから)
もちろん、体の状態や代謝の変動によって、摂取量を減らさないと体重が減らない時もありますが、基本的には、1日3食程度は糖質(炭水化物)を摂取することをおすすめします。(食事回数を4回以上に増やすと尚良い)
ただし、遅い時間の夕食での炭水化物の摂取は控えたほうが良いでしょう。(就寝前は、エネルギーを消費しない時間帯だから)
また、体脂肪率を一桁にしていきたい場合、炭水化物の摂取量を制限する日を設けたりするなどして、炭水化物の摂取量にメリハリをつけていくことも体重を落とし続けるには必要だったりします。
まとめ
今回は、減量期やダイエット中の摂取カロリーの目安や計算方法について言及してきました。
話をまとめると、まずは、体重が維持できている摂取カロリーを算出してその数値を目安にすること。
減量期のカロリー計算は、体脂肪を1kg減らすのに7200kcal消費する必要がある、ということだけ覚えておけば、計算はすぐ出来ます。
ただし、人間の体は日々代謝が変動する為、数値はあくまでも目安程度に留めておくことがポイント。
ほとんど予定通りいかないですから。
また、三大栄養素の配分(PFCバランス)に関しても、目安の数値はあるものの、その通りにやったからといって、目標の体重に到達出来ないことのほうが多いでしょう。
こちらも、PFCバランスの数値は目安にしつつ、代謝の状態や体重の推移に合わせて微調整をしていくことが大切です。
この記事が参考になれば幸いです。
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