今回は、私が人生の中であまりやる機会が無いであろうケトジェニックダイエットの方法を食事内容やおすすめのサプリ等も含めて詳しく言及していこうと思います。(実験的に短期間だけやる可能性はあり)
ケトジェニックダイエットとは?

ケトジェニックダイエットとは、別名ケトン体ダイエットとも言いますが、ザックリ言うと、
『糖質を極限まで制限したダイエット』
の事です。
ケトジェニックダイエットは、世間一般でよく実践されているであろう
- 1日のうち2食は炭水化物を食べない
- 夕食だけ炭水化物は食べない
- 炭水化物は食べないようにする(これは微妙なところ)
こういう方法とは異なります。
先程糖質を極限まで制限する、と言いましたが、ここをしっかり理解していないとケトジェニックダイエットの効果を得られることはできません。(このあたりは後程説明します)
ケトジェニックダイエットというのは、一般人がエネルギー源としている糖質(ブドウ糖)ではなく、ケトン体という成分をエネルギー源にして、体脂肪(体重)を減らすダイエットです。
ちなみに、糖質(ブドウ糖)ではなく、ケトン体をエネルギー源にした状態をケトーシスと言います。
そのケトーシスに入ったかどうか?を見極めるには、
- ケトスティックを利用する
- 体臭が変わる(ケトン臭が出る)
これらで分かります。
ケトスティックというのが販売されているので、ケトーシスに入ったかどうか?を確認したい場合は、購入すると良いでしょう。
正しい方法でケトジェニックダイエットを実践すれば、人によって多少時間差はあるかもしれませんが、ちゃんとケトーシスに入るので、敢えてケトスティックを使う必要もないと思いますが・・・。
あと、ケトーシスに入るとケトン臭というちょっと体臭(酸っぱい感じの匂い)がするのですが、これも、人によっては無かったり、すごくしたり、少しだけしたり・・・と個人差があるので、確実性はありません。
ただ、このケトン臭も最初のうちだけで、ケトン体をエネルギー源にして活動する期間が長くなればなるほど体臭も消えていきます。(期間は個人差があります)
ケトジェニックダイエットの効果
ケトジェニックダイエットをすると、
- お腹が空きにくい
- 集中力アップ
- 食後に眠くならない
このような効果が期待できます。
比較的、上記の効果は多くの人が体感しやすいかもしれません。
集中力アップに関しては、別に糖質を摂取していても、集中できる人はいるので、体質や相性によると思います。
また、他にも美肌とか、アンチエイジングにも効果があると言われていますが、このあたりは人によって違ってくるので、確実性は無いかもしれません。(ちゃんとしたエビデンスが無いから)
PFCバランスの割合は?

ケトジェニックダイエットをしていく場合、PFCのバランスはかなり重要です。
総摂取カロリーの割合でPFCバランスを見てみると、
- 脂質は60%
- タンパク質は30%(筋トレをしている人は、体重1キロあたり2.1〜2,4gくらいが目安)
- 糖質は10%、(あるいは糖質換算で20g以下。50g程度でもOKな場合あり)
このようになります。
ケトジェニックダイエットをやるにあたって大切なポイントは、
- 糖質の摂取は10%以下(あるいは20g以下)にする
- 脂質をしっかり摂取する(出来れば良質な脂質)
この2点。
何故、この2点が必要なのか?というと、この2点をちゃんとやらないと、エネルギー源が糖質(ブドウ糖)からケトン体に変わらないから。
糖質を摂りすぎていたり、脂質の摂取量が少なかったりすると、糖新生によって筋肉がエネルギー源として利用される可能性が高くなるので、しっかりこの2点を守っていくことがケトジェニックダイエットを成功させることに繋がります。
糖新生とは、ザックリ言うと足りなくなったエネルギーを筋肉を分解することによって補おうという状態。(正式に言うと、乳酸やアミノ酸、グリセロールで糖新生が行われる)
筋肉はなるべく残して、体脂肪だけ減らしたい場合は、糖新生がなるべく起こらないようにした方が良いでしょう。
糖新生について詳しく知りたい場合は、下記の記事を参考にしてみてください。
また、中には、
「とりあえず、どんな手段を使ってもいいから体重を落としたい」
という人もいるかもしれませんが、そういう場合は、糖質も脂質も極力制限して、糖新生を起こしやすい状態にしたほうが体重は落としやすいと言えます。
ただし、この方法を実践することで筋肉が減ってしまい、リバウンドしやすくなる、ということは認識しておいたほうが良いでしょう。
短期間でケトーシスに入るには?
糖質(ブドウ糖)をエネルギー源にしている状態から、ケトン体をエネルギー源にする状態までの期間が短いほうが糖新生も起こりにくく、低血糖も起こりにくくなります。
その為には、一気に糖質をゼロに近づける生活に入ることが重要。
徐々に糖質の摂取量を減らすようなやり方だと、いつまでたっても糖質(ブドウ糖)がエネルギー源となり、糖新生もどんどん進んでいってしまうので気をつけましょう。
更に、効率よく最短でケトーシスに入るには、ある食材やサプリメントを利用した方が良いのですが、このあたりの解説は後程します。
食べて良い食材
肉類

脂質の多い肉でも少ない肉でもとにかく肉ならどんな肉でも食べてもOK。
毎日焼肉・・・なんていうのも良いですね。
ただし、脂質の多い肉は飽和脂肪酸が多いため、極端な食べ過ぎには注意したほうが良いかもしれません。(そもそも飽和脂肪酸の摂り過ぎは、体に良いわけ無いですから)
魚類
魚も何でも良いのでどんどん食べていきましょう。
特におすすめなのは青魚全般。
青魚に含まれているEPAは、ケトジェニックダイエットをやる人にとって重要な栄養素なので、積極的に食べていくことをおすすめします。
他にも脂の乗ったマグロやブリ、サーモンなんかも良いですね。
乳製品
乳製品の中には、糖質が含まれている牛乳やヨーグルトがあるので、何でも食べてOK、というわけではないですが、なるべく糖質の入っていない食品を選びましょう。
おすすめはチーズかな。
卵

卵は、どんどん食べていってOK。
最初から余程コレステロール値が高い人は除いて卵の黄身もコレステロール値には関係ないので、食べられる人は1日3個〜4個食べていっても良いと思います。
中には、毎日1パック食べるような人もいるみたいですが、そこはご自身の判断にお任せします。(現時点で健康体であれば問題ないと思いますが)
コレステロールが気になる場合は、、黄身を食べ過ぎなければ良いと思います。
野菜(葉物類など)

野菜に関しては、基本的に糖質が少ない葉物類であれば、何を食べてもOKです。
代表的な名前を出せば、
- ほうれん草
- 小松菜
- キャベツ
- レタス
- ブロッコリー
このあたりでしょうか。
他にも糖質が少ない野菜はあるので、それらを積極的に食べていくと良いですよ。
食べてはいけない食材
糖質(炭水化物)

当たり前の話になってしまいますが、糖質を多く含む食材は全てNGです。
白米やパン、などの主食はもちろんのこと、炭水化物と言われる食べ物全般は食べることが出来ません。
この状況に耐えられる人のみケトジェニックダイエットをやったほうが良いと思います。
糖質を含むお菓子

これも当たり前の話ですが、
- スイーツ
- 菓子パン
- 砂糖を使ったお菓子
- アイス
これらは全て食べられません。
これらを食べないことを引き換えに体重を落としたい人だけが、ケトジェニックダイエットを実践する権利があります。
ちなみに私はその権利はありません・・・甘いモノが結構好きだから(笑)
果物全般
果物が好きな人にとって辛いのがケトジェニックダイエット。
毎日朝食は果物です・・・という人は果物の代わりに卵やチーズ、ベーコンなどを食べることになるでしょう。
糖質が低い高い関係なく、果物は一切食べることは出来ませんので注意してくださいね。
ああ、そうそう、アボカドだけは脂質が多いおすすめの食材なので、食べていってもOKですよ。
野菜(イモ類・根菜類)

野菜の中でも、イモ類と根菜類の多くは糖質が多いので、食べられません。
例えば、
- ジャガイモ
- サツマイモ
- かぼちゃ
- ニンジン
- 長芋
- サトイモ
- カブ
- レンコン
- ゴボウ
- タケノコ
などなど
イモ類や根菜類が大好物・・・という人はあまり聞いたことが無いので、ケトジェニックダイエット中も我慢できるのではないでしょうか。(そもそも我慢する、という概念が良くないんですけどね)
糖質の多い調味料

ここは気をつけるべきです。
料理に使う調味料や、サラダにかけるドレッシングで糖質の多いものは避けましょう。
例えば、
- みりん
- ケチャップ
- ソース(お好み焼きソースなども)
- 麺つゆ
- ノンオイルドレッシング
などなど。
チリも積もれば山になる、じゃないですけど、知らない間に糖質を摂りすぎていることもあるので、注意しましょう。
アルコール

アルコール自体は、1g7kcalあり、体内に入ると一番最初にエネルギーとして利用される為、ケトジェニックダイエットじゃなくてもダイエットをする上でよろしくない成分です。
特に、ケトジェニックダイエットに限っては、糖質を摂取できないわけですから、
- ビール
- 日本酒
- ワイン
など、糖質を含んだアルコールは一切飲めません。
どうしてもアルコールを摂取したい場合は、蒸留酒(焼酎やウィスキー)を飲むと良いでしょう。
ただ、先程も言いましたが、アルコール自体はダイエットの天敵なので、そこを理解した上で飲むようにすると良いと思います。
おすすめの食材
MCTオイル
MCTオイルを摂取することによって、ケトン体を生成しやすくなります。
最初に、エネルギー源が糖質(ブドウ糖)からケトン体に素早く変換する時に摂取するのもおすすめですし、ケトーシスに入ってからも、定期的に摂取していく事で体重減少の効果も高いという事が分かっているので、積極的に摂取していくと良いと思います。
ただし、初めてMCTオイルを摂取する場合は、1回の摂取量が多過ぎると下痢をする可能性があるので、少しずつ(5g程度が目安)摂取して、慣れてきたら増やしていく、という方法でやっていくと良いでしょう。
ココナッツオイル

ココナッツオイルも、ケトーシスに切り替えるのをサポートしてくれたり、ケトン体生成をサポートしてくれます。
ただ、その効果としてはMCTオイルの半分程なので、どちらかと言えば、MCTオイルをしっかり摂取していくほうが良いでしょう。
もし、出来ない場合はココナッツオイルを代用として利用するのでも全然OK。
継続して利用しなければ意味が無いので、自分に合った方法を選ぶのがベストです。
オリーブオイル
オリーブオイルは、調理全般に使用することをおすすめします。
中には、自作でサラダを食べる時のドレッシングとして利用する人もいると思いますが、出来るならそうしていくと良いと思います。
とにかく、日本人は脂質を沢山摂取する習慣が無いので、こういう形で摂取していくのも良いでしょう。
青魚
先程紹介したオリーブオイルと同様に、ケトジェニックダイエットを実践中は青魚を沢山食べることをおすすめします。
まあ、青魚が好き・・・という人はあまりいないかもしれませんが、ケトジェニックダイエットの成功確率を上げたいなら、肉よりも青魚を沢山食べたほうが良いでしょう。
アーモンド

脂質も摂取できて、ビタミンEも摂取できるアーモンドはケトジェニックダイエットにおすすめの食材。
ただし、食べ過ぎると糖質の摂取も多くなるので注意が必要。
これは、他のナッツ類(クルミなど)を食べる時にも言えます。
イヌリン
イヌリンは、多糖類の一種ですが、ほぼ体内に消化吸収されない水溶性食物繊維なので、ケトジェニックダイエット中でも摂取できます。
ケトジェニックダイエット中は、便秘になる人もいるので、そういう時は腸内細菌の餌にもなるイヌリンを摂取していみるのも良いでしょう。
もちろん、水分を多めに摂取することも忘れずに。
おすすめのサプリメント
ケトジェニックダイエットをしていく上でおすすめのサプリメントをいくつか紹介しますが、自分の状況を見て「足りてないな」と思ったら摂取していくと良いでしょう。(無理に全部摂取する必要はありません)
おすすめは、
- プロテイン
- マルチビタミン&ミネラル
- フィッシュオイル
このあたりかな。
プロテイン
プロテインに関しては、あまり言及することはないですが、基本的に食事からのタンパク質の摂取が足りないな、と思ったら積極的に摂取していけば良いでしょう。
食事から1日に必要なタンパク質が摂取できれば、敢えて摂取する必要はありません。
おすすめのプロテインに関しては、下記の記事を参考にしてみてください。
マルチビタミン&ミネラル

ケトジェニックダイエット中は、食べられるモノが限られてきて、例えば、野菜類(イモ類や根菜類)や果物などビタミンやミネラルが豊富な食べ物が充分に食べられない、と言ったことがあります。
つまり、ビタミンやミネラル不足になる場合があるので、補助的にマルチビタミン&ミネラルを摂取していくと良いですよ、という話です。
体脂肪を燃焼させたり、筋肉量を維持したりするにもビタミン&ミネラルは必要な栄養素なので、少しでも不足気味かな、と思ったら摂取していくことをおすすめします。
マルチビタミン&ミネラルについては、下記のを参考にしてみてください。
フィッシュオイル

フィッシュオイルについては、普段から青魚をしっかり食べている場合は、摂取する必要はありません。
しかし、青魚が苦手だったり、普段から青魚を食べる環境にない場合(一人暮らしで調理するのが面倒くさいとか)は、フィッシュオイルを定期的に摂取していくと良いでしょう。
フィッシュオイルについては、下記の記事を参考にしてみてください。
ケトーシスを促進するサプリメント
以下に紹介するサプリメントは、エネルギー源を糖質(ブドウ糖)からケトン体にスムーズに移行させるのをサポートします。
なので、なるべく糖新生が起こらないようにスムーズにケトーシスに移行したい場合は、ケトジェニックダイエットを始めると同時に摂取していくと良いでしょう。
おすすめは、
- αリポ酸(1日3回で1回300㎎くらいが目安)
- アルギニン(1日3回で1回3gくらいが目安)
- BCAA(1日4回で1回5gくらいが目安)
この3つ。
上記3つのサプリメントについては下記のリンク先を参考にしてみてください。
他にも摂取していくと良いサプリメントはあるのですが、あまり細かいところまで紹介しても、摂取できる人(本格的に鍛えている人)はいないと思うので、代表的なサプリメントだけ紹介しました。
ケトジェニックダイエットをやめる場合
ケトジェニックダイエットをやめて糖質を摂取する場合、その時は体が糖質に対して耐性が弱っている可能性が高いです。
どういう事か?というと、普段から糖質を摂取している時は、体がインスリンを正常に分泌して血糖値を下げて・・・とちゃんと処理しています。
しかし、長期間糖質を制限していて、その後に糖質を大量に摂取すると、血液中の糖質を上手に処理できなくなる可能性が高くなります。(うまくインスリンが作用しない状態)
そうなると、処理できない糖質が体脂肪として蓄積されやすくなります。
更に、ケトジェニックダイエットをやめて糖質を摂取すれば、今まで体内に無かったグリコーゲン(糖質)が肝臓や筋肉に貯蔵されるので、自然と体重も増えやすくなります。
ケトジェニックダイエットをやめて普通の食生活に戻って、
- 体脂肪が増えた
- リバウンドした
という多くの原因はこんなところから来ている、という事を把握しておくと良いでしょう。
ちなみにリバウンドの原因は、インスリン感受性の低下によるものだと言われています。
つまり、ケトジェニックダイエットをやめて普通の食事に戻す場合は、同時にインスリン感受性も回復させてやることが大切だということ。
その為には、
- αリポ酸(朝食後と夕食後に100〜300㎎が目安)
- アルギニン(トレーニング時に4g程度)
- 亜鉛(30㎎程度)
これらを摂取していくと良いですが、本格的に筋トレをして体作りをしている人以外は、ここまで細かくサプリメントを摂取する必要は無いかもしれません。
なるべく、1回の糖質摂取量を少なめにしたり、血糖値が上がりにくい複合炭水化物(玄米やソバ、オートミールなど)を摂取していくのが良いかもしれません。
間違っても、最初から丼ものをドカ食いしたり、砂糖が入ったスイーツを食べたりしないようにしましょう。
まとめ
さて、今回は私自身、まずやらないであろうケトジェニックダイエットについて、解説しました。
ケトジェニックダイエット自体は、実践すれば体重も体脂肪も落とせる(落とせる体重は人によって変わる)ので、それなりにちゃんと効果はあるのですが、問題は目標の体型になってから
- ずっと継続して体型も維持していくのか?
- 糖質を含む食事に戻して、リバウンドしないように試行錯誤するのか?
このあたりをどうしていくのか?というところでしょう。
まあ、一生炭水化物を摂取しないで目標の体型を作って維持していく事を優先するのなら、ケトジェニックダイエットは実践する価値アリです。
ケトジェニックダイエットで目標体重まで落としてから普通の食事に戻したい場合は、リバウンドしやすいので、慎重にやっていくことをおすすめします。
自信の無い場合は、優秀なトレーナーに指導してもらうのが良いかも・・・。
あと、最後にもう1つ・・・Ⅰ型糖尿病の人はケトジェニックダイエットをすると、ケトアシドーシスになって命に関わってくるので、やらないようにしましょう。
この記事が参考になれば幸いです。